江戸時代から372年間続く 「伝統と革新」
ヤマサ醤油の創業は1645年。江戸幕府第3代将軍・徳川家光の時代に、紀州(現・和歌山県)の商人・濱口儀兵衛が下総国(現・千葉県)銚子へ移って醤油醸造を始めたのが発端である。以来372年間、銚子を拠点に醤油一筋に業を営み、現在も本社・拠点工場を同地に置く。
経理・総務本部 情報システム管理室の菅井健一氏(室長代理)は、同社の特徴を「伝統と革新」と語る。「伝統の味と品質を営々と受け継ぎながら、新しい価値を不断に創造し提供していくことをモットーとしています」(菅井氏)
近年では、醤油の酸化を防止する画期的な容器の「ヤマサ鮮度の一滴」シリーズを発売し、「鮮度」を醤油の価値として浸透させるとともに、鮮度ブームの先駆けとなった。また、この8月に味をリニューアルした「まる生ぽん酢」は、「4つの生素材を使ったぽん酢」という新しいコンセプトが好評である。
同社のこうした「革新」は、消費者と市場動向に関する精緻な分析から生まれている。
醤油市場は1994年から年々出荷量が減少し、その一方で醤油をベースとするめんつゆやタレ類の生産量は年々増加が続く。この背景には、食習慣の変化や食嗜好の多様化、バラエティに富む調味料の登場などがあり、それらが複雑に絡み合って巨大な変化が進んでいると言われる。つまり、消費者や市場動向の分析なくして、醤油も含めた食品ビジネスの進展はあり得ないのである。



