独創的なアイデアと技術力で ヒット商品を生み出す
「フリクション」という名前のボールペンをご存じだろうか。パイロットコーポレーション(以下、パイロット)が2006年に発売した製品で、書いた文字をペン後部のラバーでこするときれいに消せ、何度でも書き直せるという魔法のようなボールペンである。日本よりも先にフランスで発売するとたちまち爆発的なヒットとなり、フランスから欧米へ、そして日本でも火がついて、全世界で30億本以上を販売する大ベストセラー商品となった(左上写真)。現在でも常時、売れ筋上位にランクされる定番商品だ。
このフリクションのメカニズムは、熱(摩擦熱)を加えると透明になるという特殊なインク(独自開発のフリクションインク)を利用したものだが、筆記具市場はこのように、アイデアと技術力がものを言う世界なのである。そしてパイロットでは古くから、独創的なアイデアと技術を形にした数々のヒット製品を市場に送り出してきた。

図表1:伝統の書き味を現代によみがえらせた大型高級万年筆「カスタム URUSHI(漆)」
最近のヒット商品の一部を挙げると、なめらかに書ける油性ボールペン「アクロボール」(2008年)、伝統の書き味を現代によみがえらせた大型高級万年筆「カスタム URUSHI(漆)」(2016年、図表1)、ペン先が乾かない油性マーカー「パーマネントマーカー」(2017年)、折れないシャープペンシル「モーグルエアー」(2017年)などがある。これらの製品をお使いの読者も少なくないだろう。
情報システム室室長の梶邦夫氏は、「当社の製品イノベーションは、顧客満足度の向上を目指すなかから生まれています」と、次のように話す。
「当社では、顧客満足度の向上はお客様に満足していただける製品のご提供にこそあると考えています。お客様のニーズは世界の地域ごとに異なることもありますが、共通するのは高品質で高機能、高付加価値であることです。当社はこれらを追求し続けてさまざまな製品を開発し、事業を拡大させてきました」。







