同社では2008年にBIツールを導入し、業務部門が基幹データを活用するための基盤とした。システム部門が定義したプログラムに対してユーザーが検索条件を指定し、その抽出データをExcelへ落として利用する使い方で、全社員(410名)の半数以上がユーザーになるなど、業務に欠かせないツールとして利用されてきた。
ところが、2018年に切り替える予定のIBM i(POWER9)環境で利用するにはBIツールのライセンス形態を変更する必要があり、新たなBIツール探しが始まった。
「従来のライセンス形態はサーバー単位でしたが、新しいIBM iではクライアント単位になるため、ユーザーが200名を超える当社では予算をはるかにオーバーしてしまいます。そこでやむなく、新たなツール探しを2017年春からスタートさせました」と説明するのは、情報管理グループ チームリーダーの藤田祐次氏である。
しかし、新しいBIツール探しは「すんなりとは決まらなかった」(藤田氏)。一時期は、ノンプログラミングでプログラムを自動生成する開発ツールも検討したが、「仕組みの理解が難しく、カスタマイズに時間がかかり過ぎる」(藤田氏)との理由で、採用を見送った。
そうしたなかで、あるセミナーでオムニサイエンスの「PHPQUERY」を知り、検討を始めた。
「最初に注目したのはサーバー・ライセンスという点で、ユーザーがいくら増えても費用に影響しない点が魅力として映りました」と、藤田氏。そして「実際に当社の開発機にテスト導入して調べてみると、データ抽出の定義方法や操作方法が非常に簡単で、これならスムーズに移行できると考え、採用を決めました」と経緯を述べる。
また、情報管理グループ主任の丹澤博氏は、「PHPQUERYにシングル・サイン・オン対応の機能があり、社員がイントラネットにログオンするとそのままPHPQUERYを利用できる点や、IBM iに重い負荷を与えるデータ抽出をクエリーの処理時間や一時記憶域容量の設定によってコントロールできる点を高く評価しました。PHPQUERYがIBM i上で稼働するので管理しやすいのも好都合で、デザインがシンプルで洗練されているのも、システム部員全員が気に入った点でした」と、採用の理由を話す。

PHPQUERYのログイン画面・利用画面
PHPQUERYへの移行は、従来の約200本のプログラムから長期未使用の約70本を除外し、残った約130本のプログラムからそれぞれSQL文を取得し、それを基にPHPQUERYを定義する方法で進めた。丹澤氏は、「移行後にユーザーが混乱しないよう、従来とまったく同じ体裁(カラム数)のExcelにデータを抽出できるように配慮しました」と、プログラム作成のポイントを語る。移行作業は2018年9月中旬に3名でスタートし10月末に完了、12月1日より本番利用が始まった。

図表 岩井機械工業のシステム概要